はじめてのいけばな
「心を無にして、一心にいけばなを活ける。」
そんないけばなの時間の中で、仕事の事や、人間関係や家庭の悩みも忘れて、何も考えずに精神が救われる、そんな凛とした、豊かな時間を持ちたいという方が最近増えています。
お稽古に来らた方の中には「時間がゆっくりと流れている事を、初めて感じました。」とおっしゃられる方もいらっしゃいます。
「ただ単に、綺麗なお花を活けられるようになりたい。」
それも良い事です、未生流華道の本質ですから。
「手作りのブーケで、結婚式に出たいんです。」と教室の扉をたたかれた方もいます。
「いけばな師範として、独立開業したい!」 おおいに結構!
日本人には花嫁修業という言葉は久しく聞かなくなりましたが、外国人の方はフィニッシングスクールのつもりで修養のためにお越しになられることもあります。
私自身は「お花は、着物を着て、正座をして」というのは昔の話、と思っていたのですが、このごろはかえって、「着物を着て、和の気分を味わいたい。」おっしゃる方も多くなってきました。
いくら着物を着たいと思ってらっしゃっても、せっかく着物を持っていても、現代社会の中で普通に暮らしている中では、「機会がない」と言われるのです。
確かに、当スクールのいけばなカレンダーの中だけでも、お正月には初活け式、お茶の初釜、初夏には京都の風景を借り切って行うガーデンパーティー、各種の花展・花会・フラワーイベントなど、自然に着物を着て出掛けることができる行事がいっぱいあります。普段着のお洋服でも、気楽に十分楽しめる会合ばかりなのですけれどもね。
いずれにしても、いけばなを始められるきっかけ・いけばなの動機は、人それぞれ様々でありましょう。
そして、「いちど、いけばなを、始めてみよう。」と思われたとき、どのようにしたらよいか、次のページ以降に、少し書いておきましょう。
追伸:
私がお花を始めたきっかけは、お恥ずかしいことですが、女学校に入ると同時に父が「行きなさい。」と言ったから、という事のみでした。
それから、かれこれ六十余年となります。
生徒さんにも恵まれ、それはそれはカラフルで楽しい人生を送って来ました。
お花と出会わせてくれた父には、本当に感謝しています。
うちの生徒さんもみなさん、カラフルで楽しい、いけばな生活を送ってらっしゃるようですね!
それが、当スクールのいちばんの自慢です。
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