未生流笹岡のいけばな「寸法表」
生花を伝承・研究する流派であれば、いけばなの花矩(はながね)に基づいたそれぞれの花姿を確立しています。
各流派は確立した花姿やそのバリエーションについて、伝書や集成書の中で図式を持って伝承をしてゆきます。
しかしながら、それらの図式は多くの流派で、完成図のみが存在する場合が多いようです。
そして、未生流笹岡は、完成図のみならず、いけばなの「寸法表」という設計図を持っています。設計に沿って生けることで、どなたでも技術さえ身につければ、美しい花姿を再現することができるのです。
全国には「生花(せいか)」を活ける数多くの流派があり、各流の違いは簡単に言うと花矩(はながね)に基づいた各流派の花の骨格の違いです。
ところが、ほとんどの流派では「どのくらいの長さで切って、どのくらいの長さで矯める(曲線をつくる)か」を厳格に規定していません。そのため、教授者によって花矩が異なってくるという矛盾が起こります。
また、花矩があっても一子相伝の秘伝として広く伝えていない流派や、生花(格花・古典花)自体を教えていない流派も少なくありません。
当流のお花をどこで見かけられても、足元がすっきりしていて花姿が調っておりますのは、花枝の寸法を定めた「寸法表」を作成しているからです。
テキストが単なる作品集にすぎなかったり、「○○○をバランスを考えて配置しましょう」などとあいまいな表現を使っているのでは、合理的な教授を受けられるはずはありません。当流の「寸法表」では、一枝一枝、一葉一葉の寸法から矯め口の寸法、矯める程度まで、正確に記入してあり、どなたでも姿良く活けられるように調製しております。また、ゆくゆく師範となられ教鞭を取り始められたばかりの頃は、この「寸法表」がたいへん心強い味方と感じられることでしょう。
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